北山真のラーメモ

開拓王のラーメン開拓メモ
なぜラーメンなのか


春乃色食堂前にて

最新10軒。見てネ!


■なぜラーメンなのか
 食べ歩き的なことを始めたのは、いつごろだろうか? 故郷宇都宮では対象となる店がないどころか、歩いているうちに街は田んぼに変わってしまう。断っておくが宇都宮が餃子の街になったのは近年で、あれは計画的に作られたものである。ということで東京に出てきてからだから、ちょうど20歳ぐらいだ。だが最初のうちは極端に金がなく、食べ歩きどころか3日間キャベツ入りラーメン(もちろんインスタント)、次の2日間はモヤシ入り、次は卵入りとか(冷蔵庫なし)の時代があった気がするので、22歳ぐらいからだろうか。とりあえず30年以上はやっている。とはいってもその後も金と縁がないのでやれることはたかが知れている。結局ラーメン、カレー、蕎麦の3本柱を、時にはひとつに集中し、ときには3本並行にやってきた。もちろん興味がなくなり、やめていた数年間もある。最初の参考書はアングルだった。
 
■蕎麦
 蕎麦は語るべきうまい店があまりに少ない。ある友人は「F1蕎麦」と呼ぶ。つまり日本中に20数件しか語るべき店はないのだという。そのころの東京で私は別格という蕎麦屋に遭遇した。時代が古いので、今はどうなのか分らないが、浅草の『並木』、上野『薮』、九段の『一茶庵』、椎名町の『翁』などを始めて食べた時は、「私がいままで蕎麦だと思って食べていたものはなんだったのだろう」と感じた。そしてこれからこういう蕎麦をあちこちで食べることができるのか、と身震いしたのだったが、そうは甘くなかった。じつはそんな店はごくごく一部で東京に10件、以外の関東に10件弱、そしてそれ以外の全国に10件程度しかないのである(関東以外は想像)。つまり行動可能範囲の「F1蕎麦」を食べ尽くしてしまうと、あとはなにもすることがなかったのである。わざわざ格下の「F2蕎麦」「F3蕎麦」を食べる気にはなれなかった。出先で、ここが戸隠で最高の蕎麦屋です。ここが松本で最高の……とか言われたものは東京の名店にはるかに及ばないものばかりであった。要は蕎麦の世界は「とびきりうまい蕎麦」、「食べられる蕎麦」、「食べられない蕎麦」の三つに、はっきり分かれているため、面白味がほとんどないのである。

■カレポート計画中
 そしてしカレー。これもインドカレーが頂点だと思うとむなしい。そのころはスパイス重視なら九段の『アジャンタ』、リッチな味なら銀座の『アショカ』にとどめを指されてしまう。そして日本にしかない欧風カレーに関して、語るべきことなどなにもないことは周知の事実。近年タイカレーが登場するが、これはあまりに独自性が強く、ほかのカレーと比べること自体ナンセンスだ。であるからカレーであえて食べ歩きを考えるなら、インドでも、欧風でも、タイでもない、独自の道を歩んでいるカレーを対象にするしかない。これなら今後やってみようかと思っている。毎度昔の店だけだが、渋谷の『ムルギー』、神保町の『共栄堂』、本郷の『ルオー』のような「うまいんだか、まずいんだかわからないけど印象に残る味」だろう。新しい店(たぶん全然新しくない)ではどちらも駿河台だが、『エチオピア』、『カーマ』などは感動した。

 ということでラーメンに至る。ラーメンの最大の魅力はひとつの丼で完結している潔さである。それはカツ丼がカツライスより、天丼が天麩羅定食より優れたものであり、愛されていることで象徴されている。だから具を別皿で出す、渋谷の『チャーリーハウス』、青山の『だるま』などは、いかに味的にはうまくとも評価しない(うまいのは一方だが)。もちろんつけ麺は対象外だが、私がつけ麺を嫌う一番の理由は他にある。

■つけ麺幻想
 つけ麺を出している店は基本的にラーメンもうまいことが多い。それは麺にこだわりがあり、より麺を味わえるメニューとしてつけ麺が創られたからだ、ということになっているがはたしてそうだろうか?
 そもそもつけ麺には弱点がある。冷たい麺を熱いスープに浸し口に入れた一口目。この一瞬の夏はすばらしい。しかしこのめくるめく一瞬の夏は二度と還らない。二口目は1割減、三口目は2割減、四口目は3割減とどんどんまずくなっていき、半分を過ぎたあたりからもてあまし始める。あとはひたすら満腹感を得るために、ぬるくなった双方をかきこむだけである。具がごちゃっとスープに浮いたり沈んだりしているのもみっともない。このように、あきらかにラーメンより劣るつけ麺というものが、なぜ市民ケーンを得ているのか?
 それは簡単、短時間に満腹感が得られるからである。ダイエットの原則にゆっくり食べるというのがあるが、つまり早く食べれば食べるほど量がこなせるのである。ラーメンの普通盛りが120〜150gに対してつけ麺は200gというのが基本である。大盛りはラーメン200g、つけ麺300g、となる。そしてたいてい値段は同じだ。手軽に満幅になるのがつけ麺なのである。私は基本的に、つけ麺専門店でもラーメンを食べ、それによって店を評価する。

■醤油礼賛
 ラーメンとは醤油ラーメンのことである。私は断固醤油が好きだ。刺し身に醤油を使わない人はいないと思うが、焼き魚などはときどきそのまま食べている人を見かけるが、なんてもったいないことをしているのかと思う。
 醤油、味噌、塩の三点セットは60年代後半に(たぶん)サッポロラーメンによって、全国に広がったが。このブームに遅れまいと味噌、塩をメニューに加える東京ラーメン店も多かっであろう。しかしこのとき、「醤油ラーメン」という言葉は導入して欲しくなかった。ラーメンといえば醤油なのであるから、胸を張ってラーメン、味噌ラーメン、塩ラーメンと書いて欲しかった。
 ちなみにラーメンはラーメンという名前でいてほしい。中華そば、支那(禁止用語)そば、(ただの)そば、はやめてほしい。もちろん最近多い「らうめん」も。ほかにもいろいろ凝った当て字などあるが感心しない。ラーメンと胸をはって言い切る自信がないのかとさえ思ってしまう。

■評価
 評価は基本的に味だが、『福寿』、『春乃色食堂』のように、店構えがあまりにすばらしいと、評価が上がる場合もある。逆に、マスコミに頻繁に登場するような有名店がだめだと、勢い余って過剰に悪い評価にする傾向もあるようだ。
 ×   行くべきではない
 無印  行ってもいい
 ★   行ってみよう
 ★★  行くべし
 ★★★ なにを置いても行くべし

■DATA
 基本的に場所以外のDATAはほとんどない。なぜかといえばめんどうだからである(すみません)。非常に詳細なHPがいくらでもあるので、検索して調べていただきたい。値段は相場より高いものと、安いもののみ記載してある。相場とは600円から699円までである。最近はデフォルトでも700円代のラーメンも多く、「ラーメン700円時代」にそろそろ突入するのかもしれない。

■場所(カテゴリー)
 東京以外は数もすくないし、学校で習った地方の分け方と同じである。ゆえに「中部」とは新潟、長野、山梨、静岡、愛知、岐阜、富山、石川、福井で、大所帯である。
 では、すみからすみまで……。





photo by Api

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